アフターコミュニケーションから生まれる真のアフターケア
小笠原先生の本、いくつかございますが
心に響くシリーズもとても共感できる部分も多いのですが
どちらかというと
「売れるクリーニング」のマーケティング論が大好きです。
なぜなら、お客様とのかかわりを真剣に見つめ
販売する王道をまっすぐ突き進んでいるからです。
そう思いませんか?
〈37〉 売らない販促
アフターケア
営業活動の展開と段階を
お客づくり
お客つなぎ
お客つづき
と区分するならば、サービスもまた、
ビィフォー・サービス
オン ・サービス
アフター ・サービス
に展開と段階を区分して具体化されるべきです。
サービスの目的はマインドシェア(心の占有率)の拡大であり、その核心はコミュニケーションに他なりません。お客様との関係を深化させ、生涯顧客化するための鍵は「アフターコミュニケーション」の実行です。言葉を換えれば、お客様との良いご縁を維持継続するための具体策です。
私どもクリーニング業にあっては、『売上とは人(個客)である』という事実認識が足りないがゆえに、「アフター」が欠落しています。
「アフターコミュニケーション」とは「売らない販売」であり「割引かない販促」です。この努力が選ばれる人・店・会社であるためのポイントになります。
具体化しましょう。6月の売らない・割引かない販促を開示します。資料1を精読ください。季節の流れのなかで「6月」という月の性格に「ケアー」を附与します。アフターコミュニケーションをアフターケアに演出するのです。
目的を明確にします。売上とは人であり、特定少数の優良顧客による売上構成比を理解してください。
S売上上位5% 売上構成比30%
A売上上位25% 売上構成比70%
B売上上位50% 売上構成比90%
効果的な販促とは特定少数の対象個客を抽出することから始まります。ここでは特定少数の対象を、デラックス・ロイヤルという商品にクロスさせています。
この春、3月・4月・5月にデラックス・ロイヤルをだしてくれた優良顧客は誰でしょうか。重ねてくり返します。売上とは人なのです。「人」を見失うから結果として売上も失くします。見込客として積み重ねられず、毎シーズンゼロからのスタートになるのです。下手(へた)な双六(すごろく)、振り出しに戻ってはいけません。「アフターケアでお得意様つなぎ」資料1で十分、その目的と目標をご理解いただけるでしょう。
さらに、そのまま使えるDMの見本を資料2として提供いたします。低コストの季節感ある台紙を用意しておくと便利ですね。デラックス・ロイヤルをだした顧客が対象ですから、パソコンプリンター印刷で対応可能な数でしょう。「特別のお客様へ」という宛名はないので、できれば手書きで氏名を記入すると良いでしょう。氏名の最後の「様」まで手書きするデリカシーを忘れないでください。
アフターの声がけ
6月のPDCワークメニュー「声がけシート」の内容です。
『出し残し品(上中旬)』
『割パス最終』
『羽毛布団』
『雨の日加工』
『アフターサービス』
それぞれのメニューに、前がけ・今がけ・後がけという3つのタイミングで、お客様にお声がけすべき台本が決まっています。
資料3、『梅雨どき「カビ対策」お手入れ情報』をご覧ください。ハンドチラシ、お客様に声がけ手渡しするミニチラシですね。6月声がけシート『アフターサービス』の台本を公開します。
○『こちらに梅雨どきのお手入れ情報を用意させていただきました。お役にたてれば
うれしいです。ぜひご一読くださいませ。』
○『湿気がいちばんの大敵です。タンスやクローゼットは詰め込みすぎず、エアコン
や除湿機で湿気をとってくださいね。』
○『お仕舞いになる前に必ずビニールカバーを外してくださいね。陰干しされ風を通
されると、なおさら安心いただけますよ。』
サービスの核心はコミュニケーション。お客様の心に響くコミュニケーションとは、心のこもった誠実なアフターの声がけにちがいありません。
「売るな、語れ!」含蓄ある言葉です。
(明日もお楽しみに)
売れるクリーニング 小笠原範光の新・マーケティング論 2007/12/1 (2007年12月01日発売) | 【Fujisan.co.jp】の雑誌・定期購読