ZENDORA BOOKS BLOG

とってもとってもニッチな会社!クリーニングの業界出版社・ゼンドラ株式会社より発行しております、書籍紹介のブログです。クリーニング店の皆様だけでなく、どなたでもお読みいただける内容をまとめておりますので、ぜひとも気軽に読んで楽しんでくださいね。

出会いに感謝申し上げます

小笠原先生の新刊書『笑顔になれるクリーニング』
12月1日発売です!

CLV21展示会会場で先行発売。ご期待ください。

 

それでは、今日は心に響くカウンターセールス2より…
お楽しみください。

 

第3話 出会い

 

醍醐味(だいごみ)

深い味わい、本当のおもしろさを表わす言葉としてダイゴミー――醍醐味という言葉があります。私の好きな言葉のひとつですが、口にすること耳にする機会の少なくなってしまった言葉のひとつです。

 

醍醐味(だいごみ)の語源、言葉の源は仏教のようです。古来、仏教では肉食は禁じられていましたが、タンパク質摂取の食材として乳は許されていました。

 

乳を精製する過程に五段階の味があります。

 

乳味
酸味
生酥味(しょうそみ)
熟酥味(じゅくそみ)
醍醐味

 

酥とは練乳のことのようです。想像すると、どうやらチーズづくりの工程に似ています。五の味、五味の第五、最後の味が醍醐味です。

 

「乳を精製して得られる最も美味なるもの」

 

転じて

 

「仏教の最高真理にたとえるに」

 

広辞苑の解説です。

 

私自身の“醍醐味”。なによりも深い味わい、他に変えるべくもない本当のおもしろさ。それはあなたとの出会いに始まります。

 

カウンターに立ち続けてくださるたくさんのあなたとの出会いが、私にとっての乳味。醍醐味に至る最初の味です。

 

『研修会に参加して 長谷山奈穂子

正直なところ、月一回の会社が行う研修会だから、堅苦しいものなんだろうなと勝手にイメージしていました。ところが先ず、参加人数にびっくりしました。10人にも満たないんです。それは社長の強制ではありません、自分の意志で参加してくださいとの呼びかけによるものでした。また、聞くだけでいいと信じていた私はさらにびっくりしました。

 

『長谷山さんはなぜこの仕事を選んだのですか?』気がつくと私は小笠原先生と見つめ合っていました。

 

私がこの仕事を選んだ理由は、嘘偽りなく、申し上げたとおり「人と接する仕事が好きだから」です。

 

しかし最近、好きなだけでは駄目で知識が必要だと切実に感じていましたので、今回参加して本当に良かったです。

 

ここ数日、作業にばかり追われていた私は、「もっと知りたい!もっと学びたい!」と心のなかで叫んでいました。というのも、最近多いクレームはシミ抜きです。先生が三つの汚れを説明されましたが、もっと詳しくどういう行程でクリーニングがおこなわているのか、シミ抜きはどうおこなわれているのか等、今すぐ知りたい!!と思いました。

 

ある程度のことは、職場の先輩がたや工場のかたに電話で聞いているのですが、実際見るとちがうだろうなあと思います。

 

また、三つのミル。見る・視る・看る。「ミル」ことの大切さを改めて学び、人の心は人でしか満たせないということを、先生が何度もおっしゃったことが心に響きました。そしてそれが確実に翌日からの仕事に反映されました!!

 

ありがとうございました。

 

常々、私は今が本番!をモットーに行動していますが、もっともっと貧欲に生きようと思いました。

 

また、今回研修会に参加して、知識を得ることもさることながら、とても私にとってうれしいことがありました。それは、まさに人の心(私の心)が人(先生のひとこと)で満たされ、いやされたのです。

 

『長谷山さんの笑顔はすてきですネ。』というひとことが、繁忙期まっただなかの、カラカラに乾いた私の心に潤いを与えてくださいました。ふだん誰も言ってくれないので!?ちょっぴり気恥ずかしくもありましたが、とってもうれしくて、帰宅途中も心があたたかく、幸せな気もちになりました。

 

そのおかげで翌日からとてもさわやかに、ちょっぴり自信を持って接客ができるようになり、2日間で10名新会員獲得できました。

 

小笠原マジック?にかかったようです。この気もちを維持させ、行動は慣れることなく、謙虚で(徹慢にならず)、前向きに、そして次回もぜひ参加させていただきたいと思いました。

 

本当にありがとうございました。

 

(早速、研修会の資料はファイルしました!)』

 

 

長文になりましたが、長谷山奈穂子さんの研修会参加レポートを原文のまま、ご了解をいただいたうえで転載させていただきました。

 

長谷山奈穂子さんとの出会いに心から感謝申し上げます。長谷山さんはカウンターに立たれて一年ちょっと。心に鮮度、新鮮さをもっていらっしゃる笑顔のすてきな女性です。


五味、五段階の味

醍醐味にいたる味の段階は五、いつつありました。この五という数字は不思議な数字です。五、いつつの区分、発展段階が他にもあます。

 

アブラハム・マズローという心理学者がアメリカにいました。人間の人間らしさを追求し、人間の成長と幸福に貢献することを目指した心理学者です。彼の欲求階層説はつとに有名で、人間の欲求を五段階に区分しています。マズローの欲求五段階説とよばれています。彼の説によると、人の心、人間の欲求は

 

①生理的欲求
②安全の欲求
③社会的欲求(社会的帰属と愛情)
④自我自尊の欲求(尊敬と地位)
⑤自己実現の欲求

 

という五つの欲求がピラミッド形に段階的に積みあげられていくという内容です。

 

奇(く)しくも五、乳味から醍醐味にいたる仏教の教えの区分と附合します。醍醐味とは自己実現の味、どうやらそう言えそうですね。自己実現の欲求とは、自分の能力を発揮したい、創造的でありたい、さらに学びたい成長したいという欲求です。それは結果として、感謝の思いに裏づけられた人のお役にたちたい、人を幸せにしたいという熱く強い不断の願いです。

 

川野房さん(F社サービスバイザー)
『スタンダードコースのセーター・婦人ものコート・ジャケットなどは、ほとんど防虫をやっていただけます。声がけがやはり基本です。

『ご安心ですよ!虫に喰われたらモッタイナイですもの。安心ですからやっときましょう。』

と言葉をかけると、かなりの確率でやってもらえます。

各店を巡回してわかるのは、とうりいっぺんの受付の店・お客様のお役に立とうという気もちのない店はだめですね。小笠原先生のおっしゃる、お客様との関係、人と人の関係で全て決まるのは本当です。あとは笑顔に自信と元気です。これからが本番。みていてください、各店の実力はこれからです!』

四月はじめにいただいた店舗指導の女性からのレポートです。


日坂浩江さん(K舎営業部長)
「カウンターに立つのは『売る』ためです。各店アルバイトさんにいたるまで売る目標を毎日数字でもっています。それと他社ではなく、うちの会社の店どうしの競争意識が強く高いんです。

閉店後、毎日の売上報告とともに、重点販売品目の報告も入ります。ほめてあげられます。はげましてやれます。時としてきつくしかります。

私自身、辛(つら)いなあー、きついなあーと思うときがありますが、それを乗り越えてこそ、小笠原先生のいう最強の販売員になれるんだと思います。

これからが春本番。各店アルバイトさんまで悔いなくベストをつくします。

また自分への新たな挑戦です。」

業界ではめずらしい女性営業部長からいただいた、繁忙期への決意表明です。

 


出会いに感謝申し上げます

たくさんのあなたに出会っています。出会い続けています。

 

私に醍醐の味を教えてくださっているのは、カウンターのあなたです。

 

カウンターのあなたとともにする喜怒哀楽。その積み重ねが五味、お互いの自己実現を目指し醍醐味へ向けた、ひと味ひと味にちがいありません。

 

 

(明日もお楽しみに)

出典:小笠原範光 著・心に響くカウンターセールス2(ゼンドラ出版

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定価2880円(本体2667円)