生産(工場)と販売(店舗)の分断がクレームの直接的な要因であり原因です。
今日は売れるクリーニングから。
クリーニングの受付というしごとに、やりがいを感じているでしょうか?ここが大切な部分です。ここを科学すると、売上は必然的に上がっていくでしょう。なぜなら、お客様からより支持されるからに他なりません。
〈11〉売ることを科学します(1)
原則と基本
クリーニングは販売―売ることであると語り続けています。販売―売ることですから、『人が人に売る基本』と『人の心は人でしか満たせない原則』があります。
お客様という「人」の心は、あなたという「人」の心でしか満たせないという原則を理解してください。この原則を「感情価値」というキーワードで分類整理し本論をすすめてきました。
数多くのクリーニング店をまわらせていただき、強く意識することがあります。お店の人が「感情価値」に気がついているか、気づいていないかです。極論すればここで全てが決まります。お客様への感謝の思いに裏打ちされた誠実さと謙虚さをなくし、自分たちの理屈・自分たちの都合で営業し接客している人と店のなんと多いことか。
「だから売り下がるんだ!」という事実に遭遇します。売り上げを「人」としてとらえ理解させる教育が足りないんですね。気づきがないんです。
「原則」を土台として「基本」という柱を立てます。それに「やりがい」や「面白さ」という屋根をのせてはじめてクリーニング店という店構えができるのでしょう。
いつの時代、どんな時代にあっても真摯に問われるのは経営者の資質と理念にちがいありません。店構えとは正に経営者の心構えであり、従業員は経営者の分身そのものです。変わるべきは上から、変えるべきも上からです。
販売の科学
販売―売ることを科学します。合理的な売りかたを学びます。合理とは、理にかなった、お客様の心にかなったという意味です。
売ることを科学する目的は以下のとおりです。
1・おまかせいただけるお客様づくり。
2・生涯顧客化へ関係の深化。
3・感情価値の拡大再生産。
4・お客様にストレスを与えない提案営業。
5・曖昧(あいまい)さの排除。
6・数値目標の達成。
以上の六項目を骨子とします。
なにより大切なことをくりかえします。「合理的」であるかということの検証です。合理とは原理原則に合っているかということであり、お客様の心や想いに合っているかということです。
利害や打算、ましては効率の尺度を意味するものではありません。
販売―売ることを科学するもうひとつの想いは、「やりがい」や「面白さ」を見いだせるような仕組を具体化するということにあります。
全国各地のクリーニング店をまわらせていただき、技術的な接客レベルの高い方にはたくさん出会います。しかし接客を心から楽しんでいる方に出会うことは、ほとんどありません。生産(工場)と販売(店舗)の分断がクレームの直接的な要因であり原因です。どちらかと言えば、ユニット店に接客を楽しんでいるフレンドリーな方を多く見うけるのも当然なことであります。
本題にもどります。
販売―売ることを科学していきます。売ることや売りかたを共有していきましょう。
科学の出発点は好奇心です。販売―売ることの科学にあっては頭より心、なにより感性が大切です。人の心は人でしか満たせないのですから。
(〈11〉売ることを科学します(1)おわり)
(明日もお楽しみに)
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