ZENDORA BOOKS BLOG

とってもとってもニッチな会社!クリーニングの業界出版社・ゼンドラ株式会社より発行しております、書籍紹介のブログです。クリーニング店の皆様だけでなく、どなたでもお読みいただける内容をまとめておりますので、ぜひとも気軽に読んで楽しんでくださいね。

社内行事の最後には、ヒゲダンスやYMCAの大合唱で一体感を


社長の仕事がわかりやすく書かれており、作業に没頭している社長ではいけません。個人と組織の相思相愛・ラブラブに(^^)とてもわかりやすい表現です。

それでは、小笠原ワールドをお楽しみください♪


〈40〉 若き経営者へ

 

 易 経

 

 儒教の経典として最も尊重されている五の経書に「易経」「詩経」「書経」「礼記(らいき)」「春秋」、合せて五経があります。その五経のひとつ「易経」とは天文、地理、人事、物象を陰陽変化の原理によって説いた書です。

 

 易経に曰く、本年の干支「酉」を解釈するに『澱んだものを吹き払い、上のものと下のものを交流させる』という要素をもった年だそうです。原典を今ふうに再解釈し「人と組織の内部に澱んだものを吹き払い、人と組織の上のものと下のものを交流させる」と言い換えたほうがわかりやすいでしょうか。

 

 紀元前1023年に武王が商を滅ぼして建てた周王朝。三千年前の古(いにしえ)の周代にすでにして人事と物象の真理は看破されています。ただ言葉を失い黙するばかりです。

 

 

 社長の仕事

 

 経営者の仕事とは、かかわる全ての人へ「動機づけること」であり、「意欲を高める働きかけ」であると断言します。カタカナ言葉を使うならモチベーション(Motivation)、この一言に尽きます。いかにして個人と組織を相思相愛のラブラブにするかが経営者の仕事です。従業員の犠牲と奉仕を前提とし、その上に成り立つ経営などあってはなりません。関係は常にWINWIN(ウィンウィン)でなければ不幸なことであり、継続しうるものではありません。

 

 作業に追われ、作業を仕事と誤解されている社長を多く見うけます。結果として心と身体と視野にゆとりのない社長が多すぎます。

 

 作家城山三郎氏の言葉に『昭和が「量」を指向する時代だったとすれば、平成は「質」を求める時代。価値観の変化にあわせて経営そのものを変えられるか、トップが方向性を正しく示せるかが企業の存亡を左右する。(中略)

 

 顧客満足を生み出せず、顧客に支持されない企業は現場の視点が欠けていることが多く、組織とトップ両方に何らかの問題があると考えた方がよい。(中略)

 

 経営者にも政治家にも共通することだが、リーダーの条件とは何かと問われれば、常にあるべき姿を求めている、人間に対する関心や好奇心が旺盛、卑しくない、大局をつかむ力があることなどを挙げたい』。

 

 城山氏が日経に寄せた文章を借りて思いをお伝えします。経営者の人として人間としての魅力に裏づけられた、「意欲を人と組織の内部から高める不断の働きかけ」、それこそが社長の仕事であると強く心していただきたい。資産とは意欲ある従業員に他ならず、全ては従業員という人で決まる時代なのですから。

 

 坂本孝社長の動機づけ

 

 ブックオフコーポレーションという会社が躍進しています。社長は坂本孝さんという苦労人のかたです。坂本さんは従業員を感激感動させる名人であり、躍進の秘密は全てそこにあるようです。

 

 坂本さんの会社では社内行事(全体、部門、研修)の最後は、坂本社長を先頭に必ず全員で「ひげダンス」を踊りまくるそうです。もちろん、あのひげの小道具をつけて、ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン!と。

 

 さらに盛りあがりの〆には、参加者全員がオーバーアクションで西城秀樹のYMCAを合唱熱唱し、互いに握手しまくるそうであります。男の子も女の子も、老いも若きも、社員だろうがパートだろうが誰彼かまわずに。

 

 一体感のわかりやすい演出です。自分がメンバー、仲間、必要とされている身内だと実感しあえます。全身で五感と身体で感じ合う。そういう理屈ぬきで体感できる瞬間をつくっているんですね。正に共感共鳴であり、感動の共有です。その中心に坂本社長がいるんです。

 

 100回の理念唱和より一発のひげダンス……。またもや言葉を失い黙するばかりです。

 

(明日もお楽しみに)

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