ZENDORA BOOKS BLOG

とってもとってもニッチな会社!クリーニングの業界出版社・ゼンドラ株式会社より発行しております、書籍紹介のブログです。クリーニング店の皆様だけでなく、どなたでもお読みいただける内容をまとめておりますので、ぜひとも気軽に読んで楽しんでくださいね。

お客の不満、苦情を言うのは4%にすぎず、96%のお客は二度と来ないだけ

いま、日本には65,074もの「洗濯業」事業所があります。(経済産業省・経済センサス活動調査 平成24年)そのなかで、なぜうちのお店が選ばれているのか、真剣に考えたことがありますでしょうか?

 

あなたのお店は、製造業でしょうか?物流業でしょうか?サービス業でしょうか?

 

サービスが伝説になる時

クリーニングが伝説になる時

 

…とは、どんな時でしょう。

 

ゆっくりと、じっくりとお読みください。

 

f:id:makotomarron:20141001210607j:plain

 

選ばれるクリーニング店

★お客をかえした★

こんな話を聞きました。ある朝、いきなり経営者からしかりとばされたそうです。

 

「いったい直営店のカウンター教育はどうやっているんだ!A店の店長は、わざわざクリーニングをだしにきたお客に、自分で洗えますよと言って、持って帰らせたそうだ。」

 

「店はボランティアじゃあないんだ。お客に出してもらって経営が成り立つんだ。」

 

その通りです。販売機会の逸失どころか、客数・点数が減り続けている現状では、経営者の立腹は正しいことです。

 


「申し訳ありません。しかし、A店の店長はカウンターセールスにとって、もっとも大切なことを理解しているはずです。彼女の行動は私の指導していることです。店長の判断が正しかったか、誤っていたか、結論を出すのに三ヶ月時間を下さい。」


営業課長は、そうお願いしたそうです。しかし三ヶ月の時間は必要ありませんでした。


翌月にはすぐ結論が出たのです。

 

A店の店長が持って帰らせた山本良子さんは、翌月末には、その店の当月売上上位の二十八番目にランクされていました。今までは、売り上げ上位客のランキングには一度も名前が載らなかったお客様です。


まだ続きます。山本良子さんはクリーニング店、クリーニングに不満をもっていた友人を、A店に連れてきてくれたのです。A店の店長の接客応対を友人・知人に話してくれ、その方々がご来店下さったそうです。

 

全部で五人でした。山本良子さんの口コミで来店いただいた方々も、ほどなくお得意様と呼べるお客に育ったそうです。

 


★人儲け★

A店の店長は一回のクリーニング代金を売るる代わりに山本さんに信頼と安心を売ったのです。山本さんの品を見極め、ドライでは落ちず、ウェットでは縮みと風合いの変化を心配し、ご自分で部分洗いすることを、リスクとあわせて説明したそうです。山本さんと店長の間には、安心と信頼の関係が生まれました。

 

そしてその関係が育っています。山本さんはクリーニングの全てを店長にまかせているそうです。店長も山本さんに甘えず、つねに山本さんの衣服にとって適正な、正しいクリーニングで応対しています。

 

お客様と安心・信頼の関係をつくること、それを「人儲け」とよぶなら、カウンターセールスとは正に、「金儲け」ではなく「人儲け」がその目的になるのです。カウンターで見るのは、クリーニング品という衣服・ものではなく、お一人お一人の個客という人なのです

 

そのことがまずはじめに心にあって、一点一点衣服の充全な点検が必要なのです。

 


★お客は人を選ぶ★

お店がお客を失う理由原因は店員や従業員の無関心・冷淡な態度が68%です。商品・品質への不満は14%で、競争・競合店からの誘引は9%、以下友人の影響5%、転居3%、死亡1%と続きます(「サービスが伝説になる時」ベッツィ・サンダース著)。

 

同書にはまた、不満を持つお客のうち苦情を言うのは4%にすぎず、96%のお客は二度と来ないだけ。一件の苦情があれば、同様の不満を持っているお客は平均26人いる。

 

しかし、苦情が解決された場合、56~70%のお客はその店に再び戻りたいと考えており、苦情の解決が早ければ早いほど、96%のお客がそうしたいと考える。

 

さらにその店が苦情を解決してくれたことを平均5~6人の人に話す。このように書かれてあります。物販でもクリーニングでも、ほぼ同じ数字の結果を見るでしょう。

 

これらの数字は全て、お客という人の立場になって考え応対することの重要さを教えてくれます。クリーニング店のカウンターセールスでなによりも大切なことであり、それはカウンターに立つあなたにしか実現出来ないことなのです。

 

クリーニング店はいま、お客様から選ばれる時代になっています。料金・納期・品質・サービスー選ばれる要素はたくさんあります。そのなかで、お客様が一番に選んでいるのは人、あなた自身のことなのです。カウンターに立つあなたをお客様は選んでいます。

 

いま、あなたはお客様から選ばれています。

 

あなたはお客様から選ばれる人になろうとしていますか。

 

(選ばれるクリーニング店 終)

 

 

いままさに、イドカバネットのクリーニング店で実現しようとしていること。それが、お客をかえすことです。その洋服の状態を見て、最適な方法を選択する。それがたとえお店の売上に繋がらないとしても、です。

 

信頼する人ってどんな人ですか?
自分が信頼する人を思い浮かべれば、おのずと信頼されるには何をすればよいのかは明確です。

 

素直でありたい

正直でありたい

 

そして笑顔でありたい

 

そうすれば、おのずと明るい未来が見えてきますから。

きっと。

(明日もお楽しみに)


出典:小笠原範光 著・心に響くカウンターセールス(ゼンドラ出版

f:id:makotomarron:20140919182035j:plain
定価2880円(本体2667円)