感情価値の基準を持つと、お店もお客様も幸せになることができます
価値の判断基準は人それぞれですが、いま目の前にいるお客様をいかに満足させるか、この追求抜きに新しいものへの変貌はありえません。
そして、どのように満足させるかは感情価値という基準で計ることができます。
それでは、今日は売れるクリーニングから
小笠原ワールドをお楽しみに。
〈6〉 実例―感情価値の具体化・感情を刺激しなさい
継続という力
競合店の出店により料金競争をこえる価値、「感情価値」の具体化を学んだK社ユニット店の実例を報告いたしました。
今の時代にあっては感情的要因が意志決定の全てと言っても過言ではありません。
好きかキライか
気もち良いか悪いか
快いか不快か
合うか合わないか
によって選択されているのです。それは初回の選択(来店)のみならず継続という選択(来店)の連鎖にあっても同様です。私たちは常に毎回、お客様の感情によって価値判断されているのです。
ところで感情は時間の推移経緯とともに低減するという特性をもっています。感情は外的刺激によって瞬間的・一時的に高揚しやすく、時をもって冷めやすいのです。
感情価値を販促化するということは、継続的に刺激することが不可欠です。継続的な感情の刺激が感情価値をさらに高め増幅し、お客様との関係を深化させ強固にします。
ロイヤリティを高める基本的な戦術です。
実例報告「一年後」のK店
感謝の思い新たに……
あの日から一年が過ぎました。
私どもクリーニングK店のすぐ横に
安売りクリーニング店が開店して一年。
安売り店の開店セールの最中に、
私どもの店にご来店くださったことが、
どれほどの感激であり、
感謝の思いであったことか……。
私たちは決して忘れません。
感謝の思いを、お客様のありがたさを。
あれから一年、
心新たに感謝の思いをお伝えしたく
お葉書させていただきました。
クリーニングK社
店長 日坂浩江 スタッフ一同
競合店のオープン一周年セールのときに日坂店長がだしたDMの全文です。売上げ上位千名のお客様にだしました。店長は女性特有の本能で感情価値の核心を理解していたのです。
感謝記念日
そして二年後の五月。日坂店長のK店は売上が前年比119%、むろん当月予算も達成です。今年は総じて五月六月と売上げ不振のようですが、K店は昨年も今年も売上を伸長させています。お店は開店してから23年、店歴23年です。
感謝記念日
村松 明子様
あの五月から2年がたちました。
当店のお客様記念日です。
近所への安売り競合店のオープンとたび重なる半額セール。
お客様がいなくなってしまうのではと、
どれほど心細く心配したことだったでしょうか……。
ありがとうございます。
お客様が私たちの大切なお客様であり続けてくださることに、
心から感謝申し上げます。
お客様にお会いできることが、どれほど素晴らしいことか……。
感謝とお礼の思いをお伝えしたくて。
クリーニングK社
店長 日坂浩江 スタッフ一同
昨年と同じく売上上位千名のお客様におだししました。570名のお客様がこのDMを直接の動機づけとしてご来店くださいました。
感情価値創造の具体策・販促実例です。
「人が人に売る基本、人の心は人でしか満たせない原則」。それを別の言葉で表せば感情価値の創造というのでしょう。売るのは感動!私たちの愛言葉です。
(〈6〉 実例―感情価値の具体化・感情を刺激しなさい 終)
お客様との感動の共有。人の心は人でしか満たせない原則
伝える手段がいかに変わろうとも、伝えるべき内容・共有するものは普遍的なものです。
(明日もおたのしみに)
出典:小笠原範光 著・売れるクリーニング(ゼンドラ出版)
売れるクリーニング 小笠原範光の新・マーケティング論 2007/12/1 (2007年12月01日発売) | 【Fujisan.co.jp】の雑誌・定期購読