人は1秒で判断され、4分で確かめられる
今日は売れるクリーニングから!
人は見ために左右されるって本当でしょうか?
その時、私たちの商売への影響は?
〈17〉 販売3アクション「目声心」
メラビアンの法則
『メラビアンの法則』をご存知でしょうか。人が始めて誰かと出会ったときの印象、つまり第一印象を決定づける要素を分析したものです。
人は初対面の相手に対して、「感じが良いか・悪いか」、「好きか、嫌いか」という大まかな第一印象を1秒以内で判断し、その後4分で詳しく確かめ、最終的には1秒で判断した第一印象と全く同じ結論を下すそうです。
第一印象を決定づける要素を
話しの内容 7%
態度話し方 38%
服装を含む外見 55%
と定数化した比率で意味づけています。
メラビアンの法則をわかりやすく表現しなおします。
「人は人を見かけで決めつける」
「人は外見で人を判断する」
「人は理くつや論理でなく、感覚的な見た目の印象で、人を即断する」。
このような傾向がひじょうに強いということです。
さて、『目がけ』の導入部としてメラビアンの法則を語りました。
『目がけ』とは視覚による認知・理解・納得の促進です。視覚による認知、すなわち視認とは、
「目で気づいてもらう」
「目で関心をひく」
「目で興味をもってもらう」
という意味と意義です。
過去、小笠原が『目がけ』を語るとき、それはつねに重要な販売方法として語られました。販売方法を動機=モチーフとするなら、静機=キチーフとでも呼ぶべき核心です。
印象整美
たいへん重要なことなのでくりかえします。
「人は人を見かけで決めつける」。「人は外見で人を判断する」。
たくさんのクリーニング店をまわらせていただき、たくさんのカウンタースタッフの方々と出会っています。
「もったいないなぁ」
「残念だなぁ」
そう嘆(なげ)かざるをえない女性に多く出会います。その方々には共通して欠落していることがあります。
「自分がお客様からどう見られているか」
「自分の第一印象がお客様にどう受けとめられているか」
「自分の印象がお客様に好ましく整美されているか」
という意識と気づきが希薄なのです。
どんなに衣類衣料、素材やクリーニングの知識があったとしても。どんなにお客様のお役に立ちたい、お客様に喜んでもらいたいという気もちが強かったとしても。『印象が悪ければ負け』です。お客様は感じの悪い人、印象の悪い人を忌避します。くりかえします。もったいないんです。自分がどう見られているかという気づきが足りないがゆえに損しているんです。事実として そういう方がとても多いんです。
人は見掛けによらないそうですが、売上は「印象」という見掛けに左右されるのです。
静機、キチーフとしての目がけにはふたつの基本があります。ひとつが「感じの良い人」、つまりはお客様に好ましい、カウンタースタッフの印象整美です。服装、清潔感、髪型、化粧、表情、笑顔、姿勢、態度。これらのひとつひとつに「常に見られている、瞬間瞬間に判断されている」という緊張感を日々にもち続けることです。
ちなみに大手銀行の店員(行員)の女性がさまざま私服姿なのには、なにか違和感を禁じえません。金勘定を間違えるのではという不安と不信にかられるのは私だけでしょうか。他方、新興のIYバンクのように揃いのエプロンをユニホームにしている銀行もあります。銀行の窓口とエプロン姿の女性行員というミスマッチが新鮮で、とても爽やか印象を受けます。
目がけの静機とは内なる目がけなのです。視野・視点・目線の焦点を我が姿に当てることにほかなりません。
(〈17〉 販売3アクション「目声心」おわり)
(明日もお楽しみに)
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