ZENDORA BOOKS BLOG

とってもとってもニッチな会社!クリーニングの業界出版社・ゼンドラ株式会社より発行しております、書籍紹介のブログです。クリーニング店の皆様だけでなく、どなたでもお読みいただける内容をまとめておりますので、ぜひとも気軽に読んで楽しんでくださいね。

大切にしたい!人の心は人でしか満たしえないという原則

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お客様に、私はあなたの事に関心がありますよ!そのサインを送り続ければいいのです。はじめの一歩はたったのこれだけです。

筆者は何度も何度も、何冊の本でも言い続けています。
サービス業の原理原則・基本中の基本なのかもしれません。

お客様との関わり方。インターネットが普及しようとも、誰もがスマホを持つようになっても、SNSが発達しようとも、サービス業で一番大切なことです。


それではどうぞ。

第11話 お客様を「感動」させる方法教えます①

 

★気もち良くする★

 

お客様の感情―とりわけ「好き」「嫌い」は、お店にとってなにより重要です。

 

『好き」は売上を伸ばし『嫌い』は売上を落とします。

 

なにがあなたのお店を好きにさせ、なにがあなたのお店を嫌いにさせるのでしょう?

 

お客様の感情は、お客様の五感から生まれます。

 

視覚―目で見る
聴覚―耳で聞く
嘆覚―鼻で嘆ぐ
味覚―舌で味わう
触覚―肌で触る

 

人の感情はこの五感で大きく左右されます。感覚は人によって感度が違い、それぞれに敏感な人、鈍感な人がいます。お客様の五感に訴えるのは『環境』、つまり快適さ・気持ち良さといった生理的な感情が基礎になります。

 

言葉をかえましょう。

 

第一番にお店を好きにさせる方法は、お客様にとって気持ちの良い環境の整った店にすることです。これが基本です。お客様にとっての「気持ち良さ」が、またご来店いただくための最低条件です。

 

感覚は慣れ、麻痺してしまいます。カウンターにたつあなたにとって、慣れ鈍感になっていることにも、お客様は鋭敏であり繊細です。『嫌い』と感じさせる理由を見つけるためには、お客様の目・お客様の耳・お客様の鼻・お客様の口・お客様の肌をもち続けることです。心の鮮度は慣れという菌によって五感から腐っていきます。

 

お店はお客様をむかえ、お客様に気持ち良くすごしていただく、お客様のための場所であり環境です。「気持ち良さ」はなによりカウンターにたつあなたの心配りを伝える確かな方法です。

 

さて、お店の明るさはどうでしょう。店内の空気に石油の臭いや、台所の生活の臭いがしませんか。お店のなかにペットの犬猫がいるのは論外ですよ。カウンターの上には何もなく、お客様のスペースになっていますか。ウィンドウガラスや店内の鏡は毎日磨いているでしょうか。

 

お店という物理的な環境から、「気持ち良い」づくりを始めましょう。なぜなら五感―生理的に嫌われてしまっては、どんなに努力しても好きになってはもらえません。トイレの不潔な食べもの店さんは必ずつぶれます。

 

お客様は店内の環境からお店(会社)を、そしてそこで働く人の心を鋭く見抜きます。

 

五感のうえにあるのが、第六感です。お客様の第六感は常に正確です。ピィーンとくるのです。あなたの全てを見抜きます。

 

この春、近くて便利な取次店より、ちょっと遠くても気持ちの良いお店の売上が大きく伸びています。事実です。

 


★関心を示す★

 

クリーニング店の売上はカウンターにたつあなたで全てが決ります。お店の環境でさえ、カウンターにたつあなたの心のありようであり、お店はあなたそのものといえますね。

 

さて、なぜクリーニング店の売上はカウンターにたつ人によって全てが決るのでしょうか。それは、

 

『人が人に売るという基本』

『人の心は人でしか満たしえないという原則』

 

によって成り立つ商売だからです。お客様という「人」とカウンターにたつ「人」の関係で全てが決まるといいかえられます。

 

たいせつなことは、お客様という個人とあなたがどうやって、関係をつくり・関係をつなぎ・関係をつづかせるか ということです。

 

売上というお金の増減はお客様との関係の変化でしかありません。関係が深く強くなれば、上は正比例して伸び大きくなります。関係が冷え弱くなれば、売上は落ち小さくなります。

 

そうです。売上と呼んでいる真実の姿は、個客という一人一人のお客様にほかなりません。カウンターセールスとは、クリーニング品という汚れた衣服をきれいにすることだけではなく、その衣服をおめしになっていた人の心を満たす仕事なのです。

 

とてもむずかしいことのように感じますか?あなたならそれができると信じています。

 

はじめの一歩は、 『お客様へ関心を示す』こと。人はいつだって誰かに関心をもっていてもらいたいのです。

『お客様は自分に関心をもってくれる人を好きになります。』カウンターにたつあなたのことを、好きにさせることから始めましょう。そうです。お名前を必ずお呼びすることから、はじめればいいだけです。繰り返します。

お客様のお名前を必ずお呼びして、『私はお客様のことを存じています。私はお客様に関心をもっています』とサインをおくるだけなのです。

 

サービスは恋愛だと書きました。自分の気持ちや思いを、相手に伝えることから恋愛は始まります。

 

マザーテレサの言葉で「愛の反対は、憎しみではなく、それは無関心である」もすでに引用しました。カウンターの仕事は『お客様を感動させる』ことです。それができるのは、カウンターにたつあなただけなのです。

 

(第11話 お客様を「感動」させる方法教えます① 終)

 

お客様から褒められること、ありがとうと言われること。このレベルを超越した「お客様を感動」させること。この領域を完全マスターしたいと常日頃から考えております。

カウンターサービス業でなくても、必ず!できることがある。

いつも心の中から考え、願っております。

 

わたしに何ができるのだろうか。

人として。そして、お客様に。何を。

 

 

 

(明日もお楽しみに)


出典:小笠原範光 著・心に響くカウンターセールス(ゼンドラ出版

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定価2880円(本体2667円)