ZENDORA BOOKS BLOG

とってもとってもニッチな会社!クリーニングの業界出版社・ゼンドラ株式会社より発行しております、書籍紹介のブログです。クリーニング店の皆様だけでなく、どなたでもお読みいただける内容をまとめておりますので、ぜひとも気軽に読んで楽しんでくださいね。

お店とお客の関係も、夫婦の関係も、壊れる仕組みは一緒です

婚姻・離婚件数の年次推移です。

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人の心は移り変わるもの。そして人と人の関係は、できはじめた時から壊れ始めるもの。。。筆者はそう熱く語ります。そう、夫婦の関係がまさにそうだから。


今日は、心を満たされるために、そしてそれを維持させるためのお話です。

それでは、心に響くカウンターセールス お楽しみください。


第四話 心を癒し心を満たす

 

★全ては関係★

いま、カウンターに立っているあなたの悩みはなんでしょうか?

 

人は人で悩みます。人のことで悩み続けます。いいかえるなら、人と人の関係に悩むのです。

 

新人がお店にながつづきせず、辞めてゆく本当の理由はこの「関係」にほかなりません。嫁と姑、夫婦、親子、姉妹親戚一家庭にあっても同じことがいえます。上司、同僚、部下、パート同士、職場にあってはなおさらのことですね。

 

女性ばかりが悩むのではありません。お父さんたちだって、とっても辛いんです。サラリーマンでいっぱいの赤堤灯や焼鳥屋さん、そこではともすれば愚痴という言葉で、人間関係の悩みが話題の大半です。

 

さて、あなたのお店でお客様との関係はどうでしょう?

 

イヤな客、ワガママな客、モンクをいう客、ウルサイ客、そんなお客様の顔がすぐうかんできませんか…。

 

そんなお客様が来店すると『いらっしゃいませ』の声も小さく、笑顔もどこかへいってしまいがちです。

 

『あ〜あ、どうしてイヤな客にかぎってまたくるの!クリーニング店はいっぱいあるのに、どこかよその店へいってほしいわ。』

 

そう思ってしまうお客様との関係は、とても不幸な関係です。

 

ちょっと寂しい関係ですね。


★「できた」ら壊れる★

 

クリーニング店を開店し、あるいはクリーニング店に勤めだし、一生懸命にお客様をつくり、つなぎとめ、つづいて来店していただこうと努力します。それはお客様と関係をつくり、その関係をつなぎ、つづかせるということですね。やはりもとになるのは「関係」です。クリーニング店でなにより大切な関係は安心と信頼の関係です。それをつくれるのは、カウンターのあなたにしかできないことなのです。

 

「関係」はとてもおもしろいんですよ。できあがったと自分が思ったその瞬間から、実は壊れはじめるんです。いちどできあがれば、その関係がずうっと続くということは決してありません。夫婦の関係はまさにこの証明です。

 

「関係」にはかならず相手が必要です。商売ならお客様がいます。相手やお客様との双方向、いったりきたりの往復で成り立つのが関係ですね。

 

自分だけの思い込み、自分だけの善かれと思う態度だけでは成り立ちません。相手があって初めての関係なのです。

 

そうです、関係づくりの出発は、相手のことが相手の立場になってわかること、わかろうと努力することからはじまります。それには対話が必要です。

 

『いらっしやいませ』といって、お名前をおよびすることが対話のはじまりですね。互いにわかりあうためのきっかけです。それがお名前をおよびすることの意味であり、コミュニケーションのはじまりです。

 

安心と信頼の関係をつくるためには、相手―お客様のことがわからなければつくりようがありません。そして「関係」は努力してつくりつづけるだけなのです。

 

良好な関係ができたと自分で思い、努力をやめたまさにその瞬間から、冷え・壊れはじめるのが関係です。たとえば夫婦の関係がいい例です。

 

入籍という法律上の「関係」だけがゴールになってしまい、お互いの努力を忘れてしまった薄っぺらな関係の夫婦はたくさんいます。

 

やはり不幸で寂しい関係ですね。

 


★最高の良薬★

 

「関係」にゴールはなく、努力し続けるものといいました。なぜならそれは「人の心はかわるもの」だからです。年齢、社会的地位、家計・収入、流行、友人の影響などなど。いろいろな環境と背景で、人の心はうつるいやすく、かわりやすいものなのです。どんなに「満足」でも、そう感じた瞬間から飽きてしまうのが人の心の常です。

 

「関係」は静かに、そして確実に壊れはじめます。

 

人はことさら人との「関係」に敏感です。

 

では冷え・壊れはじめた「関係」を修復するには、どうすればいいのでしょうか。ふたつの答えがあります。それを心のなかで気づき、理解し、ことばと態度にあらわせばよいのです。

 

『感謝』と『尊敬』です。

 

クリーニングという仕事にあっても、家庭にあっても「関係」がゆるぎはじめたときは、お客に家族に感謝し、尊敬できるところをひとつだけみつけることです。「関係」に効く最高の良薬は「感謝」と「尊敬」なのです。

 

ご心配なく、いつだってあなたの心のなかに見つけられます。気がつきさえすれば、いつどこにいても、すぐに手にはいります。

 

人は人で悩みます。人は人で傷つき、心痛めます。だからこそ、人は人で心を癒し、心を満たすのです。お客様という人の心を癒し、お客様という人の心を満たせるのは、いまカウンターに立っている、あなたにしかできないことなのです。


(第四話 心を癒し心を満たす 終)

 

明日もお楽しみに♪


出典:小笠原範光 著・心に響くカウンターセールス(ゼンドラ出版

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定価2880円(本体2667円)