物を運ぶ…実は付加価値が高まる作業ではありません…
車のハンドル。
実は「ハンドルの遊び」が無いと、車は真っすぐ走らないのはご存知だあろうか?
仕事も一緒。
仕事にも「遊び」が無いとどうなるのか?
二日ぶりの「大野耐一氏かく語りき」
それでは、今日もお楽しみください。
第11話 ムダ減らしは辛くない。ムダがなくなりゃ、働く人も汗かかんで済むんですから。
ムダ減らしということでいうと、ムダといわゆる「遊び」、機械の歯車なんかでいう遊びとは違うんで、そのへんをごっちゃにしてもらっては困るんだけれども、この「遊び」というのはハンドルの遊びと同じで、これがないと仕事に余裕がなくなって辛い。
逆にムダをなくすというと、作業に余裕が生まれるんだね。
ところがやっとる方はどうかといえば、ムダ作業やっとっても自分では大まじめで、ムダ作業やっとるなんてことは少しも思っとらん。
ということでどうせ働くんなら、なんとか楽になることを考えてもらって、ムダを省くことをせんといかんのではないでしょうか。
それからこれは余談になりますが、誰が言いだしたか知らんが『七つのムダ』なんていうことを聞きます。これは多分
(1) 作リすぎのムダ
(2) 手待ちのムダ
(3) 運搬のムダ
(4) 加工そのもののムダ
(5) 在庫のムダ
(6) 動作のムダ
(7) 不良を作るムダ
というのを本に書いたからかもしれませんが、ムダというのはこれが全部じゃないんでね。
昔から「なくて七癖」というぐらいだから、ムダだって少なく見ても七種類ぐらいあるだろう、ということで拾いだしただけで、ムダなんてのは七つだけあるというのではない。
そんなのはもう数限りなくあるんでね。だから現場を見るときにも、「これはどのムダだろうか」などとつまらんこと考えるよりも、とにかくムダというのはいかんのだと、ムダをゼロにして利益を生む仕事の割合を何とかして百パーセントに近付けていこうという努力が大事なんです。
それに働く人にすれば、ムダをなくしゃつまらん汗かかんで集に仕事ができるんですからね。
(第11話 ムダ減らしは辛くない。ムダがなくなりゃ、働く人も汗かかんで済むんですから 終)
ムダをムダと見る眼がとにかく大切だ!
この眼を養うことができれば、利益に困ることは無かろう!
それほど経営には大切な要素であるのに、あまり重要視されないのは、売上が増えながら商売してきたやり方の名残がまだ残っているのだろう。
基本的に、売上は増えていかない。
ここをしっかりと理解した時、本物の対策が見えてくる。
(3)運搬のムダ
人はとにかく、物を運ぶことが大好き。しかし物が運ばれている最中に品質が向上するのなら、どんどん運べば良いが、世の中の製造・サービス業の中で、物流中に品質進化が置きたりすることは、考えられない。
だからこそ、運んでいる作業を見たら、運ばなくて良いならどのように改善していけばよいのか!を考えること。
ここが大切なポイントであろう。
出展:伊藤良哉著・クリーン忍術心得帖パート1(ゼンドラ出版)
クリーン忍術心得帖 パート1(復刻版) (2004年06月10日発売) | 【Fujisan.co.jp】の雑誌・定期購読