ZENDORA BOOKS BLOG

とってもとってもニッチな会社!クリーニングの業界出版社・ゼンドラ株式会社より発行しております、書籍紹介のブログです。クリーニング店の皆様だけでなく、どなたでもお読みいただける内容をまとめておりますので、ぜひとも気軽に読んで楽しんでくださいね。

生産性を追い求めるならば、数量ではなく人の心の生産性です

これからのクリーニング業が必要としている最重要部分です。

何よりも「人」そして「本物」です。ゆっくりじっくりご覧ください。

 

第11話 店構えより心構え


人質(にんしつ)

人が人に売る基本を語っています。人の心は人でしか満たせない原則を実証しています。

 

全てはあなたという人で決まります。私たちのクリーニングという業は、過去をふりかえって、あまりに「人を基本にする」ことを忘れていました。

 

クリーニング対象品という「モノ」の数や量を拡大し続け、売上げ利益を伸長できる時代はすでにして終っています。

 

今、問われているのは『本質』です。本質の「質」を整理します。

 

店質(てんしつ)
品質(ひんしつ)
人質(にんしつ)

 

この3つが質の3大要素です。

 

店質は店格
品質は品格
人質は人格

 

へと昇華し店格・品格・人格の3つが『社格』を生みだします。

 

とりわけ本質の核をなすものが、くりかえします、「人質(にんしつ)」なのです。

 

全ては人で決まります。この事実からは逃げられません。なにより重視すべきは「数と量の生産性」ではなく、「人の心の生産性」なのです。

 


7大意識

「人の心の生産性」をわかりやすい言葉に表現し直すなら、『意識』と言い換えられます。

 

人の心の生産性を上げるとは「意識改革」を絶えず行い続けることです。

 

あなたにとって必要不可欠な意識を7つに整理し明示します。

 

1.目的意識(目的や目標をもって仕事すること)
2.顧客意識(お客様にご満足いただくためにはどうすればよいかを考えながら仕事すること)
3.利益意識(利益や経費を考えながら仕事すること)
4.品質意識(ミス無く正確度と精密度の高い仕事をすること)
5.規律意識(規則・ルール・約束を守りながら仕事をすること)
6.協力意識(職場の仲間と協力し合いながら仕事をすること)
7.問題意識(さまざまな問題や改善方法を考えて仕事をすること)

 

この7つの「意識」が心に構えられていることです。どんなに大病をしても、どんな大ケガをしても人は死にません。「意識」さえあれば。なぜ人が死ぬのか、意識に障害をおこすからです。無意識になってしまうからです。

 

7つの「意識」を心に構え、無意識・無関心・慣れ・惰性と決別する時をむかえています。

 


おはじき

意識が変わる、つまり心の生産性が上がっていくと『創意工夫』が生れます。

 

創意工夫とは、お客様のお役にたちたい、喜んでいただきたい、教えたい、知らせたい、伝えたい、そういう誠意と熱意の表現力です。誠意と熱意、この2つの意を工夫して形にすることを、私は創意工夫と呼んでいます。

 

写真をごらんください。撥水ガード加工のディスプレイです。撥水ガードしたジャケットの肩のラインから下へ、「おはじき」が両面テープで貼付されています。おはじきを水滴・汚れに見立て、おはじきが正にはじかれた水滴・汚れに見えます。

 

これはウマイ!素晴らしい!!なにより女性ならではの感性です。北陸のM社、直営店の女性スタッフがご自分で創意工夫してくださった手づくりのディスプレイです。

 

売る・販売するとは、まず第1に関心や興味をお客様にもっていただくことです。ディスプレイの重要性もそこにあります。この「おはじきディスプレイ」は、ご来店いただいたお客様の目にとまり、お客様のほうから興味をもって声をかけてくださるそうです。

 

『これってなあに!?』

 

このお店のかたがたが、撥水ガード加工獲得数、比率ともにNo.1なのがわかります。

 

意識がちがいます。誠意と熱意が創意工夫となって表現され、お客様の心に響いているからですね。

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また、カウンターのあなたには個性があります。特技もあります。傘の形にした「手づくりポップ」の写真をごらんください。同社の別の直営店です。やはりお店のかたが自分で考え、自分でつくった撥水加工の手づくりポップです。赤い傘がとっても目立ち、ひと目見ただけで、意味と効果が伝わってきます。やはり心に響くんです。あなたの誠意と熱意。一生懸命な「本気」が、お客様の心に強く響くんです。


本気

私は「気」を大切にします。根源的なエネルギーを「気」と表すことを学びました。

 

私があなたに問いかけ続けていることのひとつが『本気』です。

 

本気の挨拶
本気の笑顔
本気の掃除

 

人質(にんしつ)づくりをこの3つから始めています。

 

最後に小さなインショップの季節の装い、店装の写真をごらんください。装う場所すら無いお店です。このお店のかたは、本気でお客様を嬉しく、楽しく、気もちよくしたいんです。本気が伝わるんです。

 

ご自分のプライベート時間をつかって創り続けてくださっていることに、心から感謝申し上げます。

 

ありがとうございます。

 

(第11話 店構えより心構え 終)

 

温かい装いはお客様の心にゆとりが生まれます。優しくなります。穏やかになります。お店の方々のまごころが本気が伝わってまいります。

 

クリーニング店からお客様へ。なにか一つを大切にしていくとすれば、間違いのない答えが見えてきたのではないでしょうか。