ZENDORA BOOKS BLOG

とってもとってもニッチな会社!クリーニングの業界出版社・ゼンドラ株式会社より発行しております、書籍紹介のブログです。クリーニング店の皆様だけでなく、どなたでもお読みいただける内容をまとめておりますので、ぜひとも気軽に読んで楽しんでくださいね。

もう、安くても売れない時代が、やってきているのであろう…ならどうするのか

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安く売ることは誰でもできる一番簡単な販促であります。
それが一番効果があるか?というと、そうではありません。

現在、安さが必要なお客様と、高い価値を必要とするお客様と
二分されています。

あなたはどちらのお客様とお付き合いしていきますか?



〈8〉 高く売れ! 価値で売れ!

 高くお売りなさい

 

すでに販売の時代が始まっています。「販売なくして事業なし」、語り継がれている経営の基本原則が、より真実として強く痛みをともなって自覚される時をむかえました。売れなければ、売らなければ生き残れない時代です。

 

コスト対策、とりわけ生産コストはなにより重要でありましょう。クリーニングという業の特色は、「つくること」生産と「売ること」販売が両輪、一対であるという事実にほかなりません。偏重―バランスを欠いてはなりません。常なるコスト対策は往々にして縮小均衡の連鎖を意味します。「販売不振」、売れない人・売れない店・売れない会社が落ちていきます。くりかえせば、売れなければ、売らなければ結果として負けの時代です。

 

ふりかえって私たちが売ってきたもの。それは「料金」だったとの思い強く残念でなりません。私たちは「料金」を安く売る努力をし続けてきました。競争相手が正に顧客であり個客であるという事実を誤認し、拡大化の手法として安易な料金競争を同業者間でくり返してきました。結果が4960億円という2003年の総需要であり、10年間の推移がマイナス39%という下落率であります。

 

どちらかと言えば、私は商品やサービスを安く売る考えかたや、やりかたには強く否定的な考えをもっています。安くする、料金を下げていったいなにが増えるのでしょうか。

 

売上を構成する要素は自明のとおり客数掛ける客単価です。業種の特殊性として個客数掛ける来店頻度(回数)で客数は表わされます。客単価(一客単価)とは一客点数掛ける一点単価で計算されます。整理します。

 

 個客数

 頻度(来店回数)

 点数

 @点単価

 

売上構成要素のなにが、安くし低料金化することで増え上がるのでしょうか。言葉を変えれば、何を目的として安く売り低料金化し続けてきたのでしょうか。

 

もっと早くもっと強く気がつき意識すべきだったのです。安くし、低料金化したところで中長期に数や量が増え続けることなどありえない事実に。結果としてイタズラな安売りは利益を失うだけなのです。料金が下がれば数量が増えるという需要曲線の常識は物販の世界ではとっくに破産しています。なにより安いモノ、安いサービス、安いクリーニング店はすぐに飽きられてしまいます。

 

忸怩(じくじ)たる思いで言葉を重ねます。「安くしなければ売れない」という呪縛からご自身の心を解き放ってください。「安くしても売れない」のですから。安くしていったいなにが増え、上がるのでしょう。なにも増えないし、なにも上がりません。

 

高くお売りなさい!

 

安くしなくても、料金を下げなくても売れる方法を考え努力することが、商売の本筋であり王道です。そのことを私は感性のマーケティングと表現しています。売れる!クリーニングです。

 

今日からは、今からは高く売る努力を誠実に、真剣に始めましょう。高く売る努力とは・・・そうです、「価値で売る!」ことです。

 

(〈8〉 高く売れ! 価値で売れ! 終)

(明日もおたのしみに)

出典:小笠原範光 著・売れるクリーニング(ゼンドラ出版

 


売れるクリーニング 小笠原範光の新・マーケティング論 2007/12/1 (2007年12月01日発売) | 【Fujisan.co.jp】の雑誌・定期購読