ZENDORA BOOKS BLOG

とってもとってもニッチな会社!クリーニングの業界出版社・ゼンドラ株式会社より発行しております、書籍紹介のブログです。クリーニング店の皆様だけでなく、どなたでもお読みいただける内容をまとめておりますので、ぜひとも気軽に読んで楽しんでくださいね。

わからなければ女に聞け!すぐに理解できるジャストインタイム生産

男はダメね…頭固くて。どこにでもある、どの場面でも通用するような会話です。今日は「ジャストインタイム」について、小難しい話をしますが、それは男が受ける印象。女性は…そんなの当り前!と軽く受け流すことでしょうね。。。

 

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うちは新聞屋ですから、何か教えてくれ!と頼まれれば教えてあげられるけど、新聞屋に来てアイスクリーム食わせてくれ!はさすがに無いでしょう(笑)

 

私は、トヨタ生産方式を勉強するようになってから、常日頃ジャストインタイムを意識することがとても多いです。

 

  • これはいま、本当に必要なのか?の生産的視点と
  • お客様が必要な時にどのようにお届けしようか?営業的視点

 

この二つを意識すると、行動すべき順序と段取りなどが見えてきます。

 

必要なものを・必要な時に・必要なだけ
トヨタ生産方式におけるジャストインタイムの極意です


トヨタ | トヨタ生産方式 | ジャスト・イン・タイムについて



このジャストインタイム

なぜ生まれたのか?

 

こんなことを語ってくれる人も、少なくなってきました。貴重な文献だな~とつくづく感じる次第です。それでは大野さんの言葉をふり返ってみるとしましょう。

 

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「大野耐一氏かく語りき」(全19話)

 

第四話 『かんばん』は道具です。

ジャスト・イン・タイムを実現するための道具なんです。

 

それからもうひとつの「J」は「ジャスト・イン・タイム」の「J」です。

 

これは前の豊田佐吉という人の長男である豊田喜一郎という人が、「自動車を組むには、ジャスト・イン・タイムで部品を供給するのが、一番効率的なやりかただ」ということを、自動車を作り始めたころに言っておってね。つまり、後行程がいる部品を、いるだけ、いる時に前工程が作りゃいいということです。

 

ですから「かんばん」というのも、この「ジャスト・イン・タイム」に物を作るために、タイミングをうまくあわせるための道具なんです。

 

それがいつの間にか「トヨタ方式」イコール「かんばん方式」になってしまっておる。「かんばん」さえやっておりゃ、それで「トヨタ方式」だなんて思っておる人がおるが、ありゃとんでもないまちがいでね。

 

「かんばん」というのは、まあ名前ばっかり有名になってしまってね。最初の「かんばん」ていうのは、文字どおり「看板」ですよ。魚屋行きゃ、魚屋の看板がかかっておる。八百屋行きゃあ八百屋の看板がかかっておるんで、八百屋の看板がかかっておるのに「ここは魚を売っとらん」といって怒るお客がおったら、そりゃお客の方がおかしいんでね。

 

私も出張で、よく東京に行くんですが、「今日はちょっと床屋へ行こう」という時には、ナントカ理髪店というような看板さがします。

 

ところが毎朝、床屋のおやじが自分とこの看板見上げて、「うちは床屋だ」なんていう者はどこにもおらんでね。
 

これを工場でいうと、作業は自分がどんな作業をしておるかなんてことは、よく分かっておるんだけれどもげ監督者にはちょっと見ただけでは分からん。というようなことから、管理者、監督者がそのラインをぱっと見て、そこで何を作っておるのか、今の作業状態は正常かどうか、などということがすぐ分かるように「看板」を上げときなさいということで始まったんです。
 

 

ですから、よく本に載っておるような、ビニール袋に入ってバーコードがついておるのが「かんばん」だと思っておる人が多いようですが、なにもあれだけが「かんばん」じゃないんでね。

 

その「かんばん」見たら、何を何個作らにゃならんのか、どれだけ引き取らにゃならんのかなどということが分かりゃいいんで、バーコードなんかなくっても、あるいは札の形をした「かんばん」を使わんでも、おんなじ役割が果たせりゃいいんです。

 

(大野耐一氏かく語りき・つづく)

 

 

後工程はお客様

とてもとても大切な事なので、色を付けてまで強調したい部分です。

 

究極の考え方を申しますと、お客様が必要と思った時に、タイミング良くそれが供給されれば、一番利益が残るでしょ!という言葉を明確に表したことです。

 

新車が欲しいな~グレードはこれで、色はこれで、その車を買いに行くと、「ちょうど今日の午後、このタイプの車が納品されます!」と営業マンが待ってました!かのように車がタイミングよくディーラーに納車される。

 

このような具合です。過剰生産も余剰在庫もない、究極の儲かる商売といえます。

 

「トヨタ生産方式は中諸企業のものづくり方なんです」第一話で大野耐一氏がことさら強調されてましたが、このジャストインタイムを実現しようとすると、生産設備も営業規模も、小さい方が有利に働くでしょ!のお話なんですね。

 

前工程から品物が流れてくるから作業するのではなく、後工程から必要量の指示を受けて前工程が作業にかかるべき、その根本的な考え方の違いと流れを、ジャストインタイムは示しています。

 

ジャストンタイムで物を作るには、ベースとして受注の山谷があると生産現場も大変だ!平準化していると現場も作業がしやすくなる、こんな発想なんですよね。

 

ですから、平準化では利益は生まれません。ジャストインタイムでのものづくりが、企業・お店に利益をもたらすのです。

 

 

ちょっと難しい話ですか?

 

皆様の奥様…主婦は毎日、ジャストインタイムの仕事をしていますよ。

 

必要なものを=今夜の夕食を

必要な時に=みんながお腹すいたとき、食事の時間に合わせて

必要なだけ=みんなが食べる分だけ

 

きちんと食事を作っていますよね。

 

しかも、冷蔵庫の中の材料は腐らないように、日々在庫調整しています。管理は完璧です。

 

主婦ができるのに、どうしてあなたの現場ではできないのでしょうか?

 

おかしいと思いませんか?勉強するとできるようになりますよ。

 

 

出展:伊藤良哉著・クリーン忍術心得帖パート1(ゼンドラ出版


クリーン忍術心得帖 パート1(復刻版) (2004年06月10日発売) | 【Fujisan.co.jp】の雑誌・定期購読